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空売りでオーバーナイト金利が貰えるCFD取引
CFD取引では、空売りを行うと「オーバーナイト金利」を受け取ることができます。
空売り=ショートポジションを持つということは、CFD商品を売ってその分の代金を受け取りますが、売ったCFD商品をCFD業者に貸していることになるため、空売りをした場合、取引業者からその分の金利を受け取ることができ、「オーバーナイト金利」と呼ばれています。
オーバーナイト金利の水準はショートしている通貨により異なり、一般的に通貨の政策金利(短期金利)により決まってきます。
どういう事かというと、オーバーナイト金利は、日本株を空売りした場合は日本の政策金利、米国株をショートした場合は米国の政策金利に、ヨーロッパ株ではユーロの政策金利の水準に近くなります。
具体的には、米ドルの短期金利が年2%の場合、米国株を100万円分を空売りすると、年間で2万円のオーバーナイト金利を受け取ることが可能です。オーバーナイト金利のオーバーナイトとは「翌日に持ち越す」という意味なので、1日単位で金利が付きます。上記の場合、1日あたり約55円のオーバーナイト金利を受け取ることになります(2万円 ÷ 365日)。
上記の取引金額100万円分の空売りに対してレバレッジ10倍で取引してた場合、投資資金(必要証拠金)が10万円となりますが、オーバーナイト金利は取引金額に対して掛かるので投資効率が高い取引ができることになります。
CFDの買いポジションでは、逆にオーバーナイト金利が発生する
CFD取引では、上記の通り、空売り(ショート)ポジションを持ち越すと「オーバーナイト金利」を受け取れますが、逆に買いポジションで持ち越すとオーバーナイト金利を支払わなければいけません。その理由は、CFD業者がロングポジションをもつために買い付けの資金を取る必要があるためです。
オーバーナイト金利の水準は投資対象であるCFD商品の国の通貨によって決まります(投資対象が米国株なら米国の金利が適用されます)。
一般的に、金利水準は「各国の政策金利+業者が決めている金利」となっていることが多いです。日本のような低金利政策を採っている国の通貨の場合には金利がほぼゼロなので、支払うオーバーナイト金利は微々たるものですが、政策金利の高い国の場合にはオーバーナイト金利も高くなってしまいます。
トルコリラ、南アフリカランド、ニュージーランドドルやオーストラリアドルやなどの高金利通貨となっているため、その分オーバーナイト金利も高くなります。したがって、外国株や海外の株価指数CFDなどの取引でロングする(買う)場合には、金利にも注意する必要があります。
CFDの空売りのメリット
CFDでの空売りのメリットは、
- 価格が下がっている銘柄、下落が止まらない銘柄、商品では空売りで利益を出せる
- 加えて、高いレバレッジがかけられるので大きなリターンが期待できる
といったことです。
株式などの信用取引でも空売りとレバレッジを掛けることができますがたいして高くありません。一方、CFDでは大きなレバレッジをかけながら空売りを実行できるので期待リターンは大きくなります。
株式(信用取引) | CFD | |
空売り(ショート) | 可能 | 可能 |
レバレッジ | 3倍まで | 下記レバレッジご参照 |
CFDのレバレッジは高い
レバレッジ | |||
株価指数CFD | 商品CFD | バラエティCFD | 株式CFD |
10倍 | 20倍 | 5倍 | 5倍 |
レバレッジは高いほど失敗すればレバレッジ倍率に比例して損失も大きくなるリスクがありますが、CFDで空売り行うメリットは株式などの信用取引より高いレバレッジをかけて投資効率(資金効率)を高めることができる点を挙げれることは確かでしょう。また、CFDでは「逆日歩」が発生しないことも株取引なのど信用取引と比べて安心できる点であると言えます。
CFDの空売りのデメリット
CFDでの空売りのデメリットは、
- 現物取引では投資額以上の損失は発生しませんが、レバレッジをかけた取引では投資額以上の損失が発生するリスクがある
- CFD取引から生じる利益は雑所得になるため総合課税の対象となり確定申告が必要となり、株取引などで特定口座で申告をしていないことに慣れている人には手間がかかる
といったデメリットが挙げられますが、これらはあくまで現物取引などと比較した場合に限ってのことであり、FXでも株式の信用取引でも共通するデメリットである点は認識しておきましょう。