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スワップはFXの第二の利益
スワップの意味とは?
FXとは「為替差益」を狙う「差金決済取引」であり、為替差益が第一の利益なのですが、ポジションを保有するだけで金利を受け取ることができます。
この金利のことをFXでは「スワップ(スワップポイント)」と呼んでいます。
スワップ(swap)とは日本語で「~交換する」「~をやりとりする」という意味であり、FXでは通貨を「交換する」という意味があります。
通貨を交換しただけで利息・利子が付くのか?と少々理解しにくいかもしれませんが、たとえば、日本円を米ドルに交換して米ドルを持つとどうなるの?ということからはじめて、スワップ(スワップポイント)の仕組みを説明していきます。
スワップの仕組み:どうして金利がつくのか?
通常、持っている日本円を銀行に預金すると「利息、利子」が付きます、米ドルも銀行で預金すれば同様です。
FXでは、米ドル/円の通貨ペアで「買い」でエントリ―すれば、円をドルに交換してドルを持っていることになります。この場合、米ドルを持っており銀行に預金しているわけではありませんが、FX業者の「口座にドルを預けているので預けている間は利息を付けて差し上げましょう」ということなのです。
通貨をスワップ(交換)することで「持っている通貨に掛かってくる利息を受け取れるようになる」ので、その受け取れる金利部分をスワップ(スワップポイント)と呼んでいるのです。
では、金利部分はどのように決まるのでしょうか?
スワップの仕組み:どのように金利がつくのか?
上記の例でいえば、日本円を米ドルに交換したわけですから、日本円を持っているときと米ドルを持っているときに付く金利差をスワップ(スワップポイント)として受け取れるのです。
つまり、米ドルにかかる金利-日本円にかかる金利=スワップ(スワップポイント)
ということなのです。
では、その金利はどうやって決まるのでしょうか?
スワップは通貨を交換することで発生する金利です、もともと通貨を保有すれば金利が付くことが基本となっています。
通貨にはそれぞれの国が決めている金利があり、高金利から低金利の国までさまざまです。
下記は2017年6月時点の主要各国の政策金利です、基本的にスワップ(スワップポイント)は各国の政策金利と連動しやすいことを憶えておきましょう。
スワップの仕組み:ポジションの保有日数分がもらえる
スワップポイントは、ポジションを保有した日数分受け取れます。
スワップ運用では以下のパターンにより金利であるスワップポイントを受け取ったり・支払うことになります。
- 金利の高い通貨の方を「買う」: スワップポイントを受け取れる
- 金利の低い通貨の方を「買う」:スワップポイントを支払う
- 金利の高い通貨の方を「売る」:スワップポイントを支払う
- 金利の安い通貨の方を「売る」:スワップポイントを受け取れる
毎日決まった時間に加算されることになっており、毎日決まった時間を過ぎてもポジションを持っていれば、その日のスワップが加算されます。ポジションを持ち続けて翌日まで持ち越すことを「ロールオーバー」と言います。
金利の高い方の通貨を購入し保有していれば必ずスワップが付くので、たとえば、ニュージーランドドル/日本円の100万円分の取引を行うと、下記のスワップがもらえます。
金 利 差 | スワップ(スワップポイント) | |
NZドル=1.75% 日本円 =0.10% |
1.65% | 1.65% × 100万円 =年間 16,500円 =1日当たり約45円 |
外貨預金では満期日を迎えないと金利が加算されない一方で、FXでは保有していれば必ず毎日スワップ(スワップポイント)を受け取れるのがメリットのひとつです。
しかし、金利の安い方の通貨を購入するとスワップはマイナスとなるので逆に金利を支払わなければなりません。
たとえば、上記と同じ条件でNZドル/円で日本円を購入した場合は、つまり、金利が安い日本円を購入すると、下記のスワップ分が損益上のマイナスとなります。
金 利 差 | スワップ(スワップポイント) | |
NZドル=1.75% 日本円 =0.10% |
▲1.65% | ▲1.65% × 100万円 =年間 ▲16,500円 =1日当たり▲約45円 |
スワップのメリット:金利が取引額に対してかかる
スワップ(スワップポイント)は、証拠金に対してではなく、取引額に対して金利が計算されるので、レバレッジを効かせて取引額を大きくした場合でもスワップがもらえます。レバレッジを高くして取引額を大きくしながら大きなスワップを受け取れるメリットがあります。
ただし、レバレッジを大きく設定すると受け取れる金利も大きくなる一方でロスカットしやすくなるリスクも抱えることになるので注意しなければなりません。
スワップのデメリット:スワップ運用は為替差損の影響を受ける
スワップ(スワップポイント)は、基本的に保有していれば必ず受け取れるものなので、長期間保有すればするほどもらえる金利は増えていきます。
しかし、スワップ運用の場合、通貨を購入し保有しているので、購入時点よりも通貨のレートが下がると為替差損が発生し、仮にスワップ分の利益があったとしても、ポジションのトータルの損益は為替差損分減ることになります。
つまり、スワップ運用のトータル損益=為替損益+スワップ(スワップポイント)なので為替変動の動向にも気を使わなければなりません。
したがって、スワップ運用では為替変動リスクも考慮しながらポジションを管理する必要があります。
スワップ運用が順調に推移していても突然相場が急変することもありえるので、スワップ運用では以下のルールをあらかじめ決めてから始めるようにしましょう。
- 運用開始前に目標利益を決めておく(できるだけスワップ分と為替差益分を分けて)
- 為替差益が増えそうな相場であっても、目標利益を達成出来たらポジションを決済する
- 資金に余裕が少ない場合は、強制ロスカットされないように取引金額とレバレッジを抑える
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