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投資初心者が知っておきたいFXの分散投資
分散投資というと「にわとりの卵は1つのかごに入れるな」ということわざの通り、一つの投資商品だけに大金をつぎ込んではいけないという発想が必要となります。
では、FX取引において、特に為替変動リスクを回避するために分散投資を行うにはどうすればよいでしょうか?
投資においてリスクを回避することを「リスクヘッジ」といいますが、FXでは、複数の通貨ペアでポジションを持つことによってリスクヘッジすることが可能です。
それぞれの通貨ペアの値動きがバラバラになることにより、保有ポジション全体の損益曲線を緩やかにできるからです。
複数の通貨ペアを組み合わせるための「相関係数」
別々の通貨ペアであっても相場が同じように上昇下降するもの、逆の方向に動くものがあります。
たとえば、2つの通貨ペアが両方とも上昇下降する傾向がある場合、もし両方とも思惑と逆方向に動いてしまうとダブルで損益は悪化してしまいます。もし一方がもう一方と逆の方向に動く傾向があれば、一方は上がりもう一方は下がって互いの損益を相殺し合う効果によって損失を抑えることができます。
したがって、通貨ペアによるリスクヘッジには通貨ペア間の「相関係数」によって判断しなければなりません。
「互いに全く逆の動きをする通貨ペア」を保有することで合計の損失を軽減させるために『逆相関の関係にある通貨ペア』を選びます。
逆相関の通貨ペアを組み合わせるとリスクを小さくできるので大損する可能性を下げることができます。
FXにおける「相関係数」とは、通貨ペア間の類似性の度合い数値化したものです。
- 「同じような動きをしやすい」通貨ペアのことを「相関がある」
- 互いに「逆の動きをする」通貨ペアを逆の相関、つまり「逆相関の関係にある」
といいます。
相関係数の数値の範囲は+1.0 ~- 1.0で表されます。
- +1.0に近いほど相関性が強い=同じような動きを示す
- 0の時には相関性がない=全く動きに関係性がない
- 数値がマイナスのときは逆相関となる=動きが逆になりやすい
- -1.0に近いほどく逆相関が強い=逆の動きを示すことが多い
通貨ペアごとの相関関係の特徴で選ぶ
クロス円通貨ペア同士の相関関係
クロス円通貨ペア同士は相関が強いので分散投資に向かない傾向があります。
しかし、米ドル/円だけは他との相関が低いため、他のクロス円通貨ペアと米ドル/円を組み合わせることである程度のリスク分散になります。
例えば、「米ドル/円とユーロ/円」、「米ドル/円と英ポンド/円」などは互いに逆相関性があるのでリスク分散、リスクヘッジに適している傾向があります。
また、同じ欧州同士のユーロ/英ポンドや同じ北米同士の米ドル/カナダドルなどは他のクロス円ペアに対して逆相関が強いためリスクヘッジのための組み合わせに適していると言われています。
同じ大陸の通貨ペア同士はリスクヘッジに向かない
さらに、同じ大陸の通貨同士は相関性が強い傾向があり、同じような値動きをすることが多く、「ユーロ/円、英ポンド/円、スイスフラン/円」「豪ドル/円、ニュージーランドドル/円」「米ドル円、カナダドル円」などはリスク分散には不向きだと言われています。
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