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レバレッジ25倍から10倍へ規制
2017年9月27日の日本経済新聞電子版によると、金融庁はFX取引において証拠金取引を25倍から10倍に引き下げる検討をはじめました。
そして2018年2月13日に「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第1回)を開催しました。
さらにこの有識者検討会は回を重ねていますが、すでにレバレッジ最大25倍から10倍への規制は有力になってきています。
レバレッジが25倍から10倍に引き下げられることで、投資家にどのような影響があるのか見ていこうと思います。
レバレッジ規制の目的とは?
そもそもレバレッジを規制する意図とはなんでしょうか。
現在のFXの年間取引規模は5000兆円ほどにまで拡大しています。
そんな中、為替相場が急変動した場合、個人投資家や金融機関が想定を超える損失を抱え、万が一にも店頭FX業者が破綻するようなことがあると、顧客やカバー取引先に大きな影響がある他、外国為替市場や金融システムにも大きな影響を及ぼす可能性がある。
そのため、未然のリスク回避のためにレバレッジを規制する動きを検討している、このような内容を金融庁は発表しています。
つまり投資家と金融機関を相場の急変動から守るため、という意図があるようです。
しかしこれは本当に投資家を守るための制度なのでしょうか。
レバレッジが規制されると証拠金額が大きくなる
もしレバレッジが25倍から10倍に規制された場合、必要証拠金の額も単純計算で今の2.5倍の額を用意しなければなりません。
例えば今まで4万円用意すれば、4万円×25倍=100万円の取引が可能でした。
しかしレバレッジ10倍になってしまうと、同じ100万円の取引をするのに10万円の額が必要になります。
10万円×10倍=100万円
これでは少ない額から高いレバレッジを掛けて高額の取引ができなくなります。
それに加え、新しく始めようにも最初からお金に余裕のある人しか始めることができなくなり、取引を続けていく上でも資金力がある人しか続けられなくなります。
また少ない資金で様々なポジションを持つことも可能でしたが、それもできなくなることになります。
レバレッジが低くなっても取引金額が同じならば、それだけより多くの資金が必要になるためリスクが大きくなりますし、資金に余裕がなければそれだけ強制ロスカットのリスクが増大することになります。
国内FX業者の利益も下がる
レバレッジが規制され、資金面で投資家が苦労するようになると、投資家は自然とFX取引から手を引くか、くりっく365や海外FXのほうへ流れていくようになります。
すると国内FX業者も利用者が減れば利益が下がることになります。
確かにFX業界では2011年にもレバレッジが最大50倍から25倍にまで引き下げられました。
その結果多くのFX業者の取引高が減少し業績が悪化し、廃業・統廃合に追い込まれました。
以前は150社近くのFX業者が存在していましたが、今やその数も半分以下にまで減少しています。
今回も同じようなことが起こりえます。
国内FXは今回のレバレッジ規制が行われることで業界全体の業績悪化につながる恐れがあるのです。
キャンペーンの条件悪化
前回規制されたときもそうでしたが、今回も同じようにFX業者の業績が悪化することでキャンペーンの条件が悪くなる可能性があります。
規制される前までは多くのFX業者が入金するだけ・取引するだけで5千円から数万円、多くて数10万円ももらえるキャンペーンを実施しているところも少なくありませんでした。
しかし今ではそのようなキャンペーンも見かけなくなりました。
今回もまたレバレッジ10倍規制が実行された際にはキャンペーンの条件も悪化することが考えられます。
スプレッドが広くなる可能性
また今まで国内FX業者はスプレッド(買値と売値の差額)が最狭ということで有名でしたが、そのスプレッドも広くなる可能性があります。
レバレッジが10倍に規制されると、それだけ今まで国内FX業者で取引していた投資家たちが離れていき、必然的に利益も落ちていきます。
すると今までスプレッドに頼らずDD方式の取引で利益を上げられていた国内FX業者も、取引する投資家が減ればそれだけ利益も減ってしまうので、利益収入もスプレッドに頼らざるを得なくなってしまうのです。
DD方式とは利益相反取引とも言われ、投資家とFX業者の利益が相反している取引形態です。
つまり投資家が利益を上げれば、FX業者が損をする、そして逆も又然りです。
そのためFX業者は投資家に損をさせ、自分たちFX業者に利益をもたらすために、ノミ行為や不正なスリッページを起こす可能性が高いのです。
つまり国内FX業者はこのようなノミ行為や不正なスリッページなどの行為で利益を上げていると考えられ、レバレッジが規制されるとその収益だけでなく、スプレッドによる利益も確立しないといけなくなるのです。
レバレッジ規制強化への対策
レバレッジ10倍に規制する目的は、投資家を守るためのものとありましたが、しかし実のところ投資家も国内FX業者も損をするような改正になってしまっています。
ではその対策をどうしたらよいのか見ていきましょう。
ポジションを見直そう
このレバレッジ規制への対策として、まずはポジション調整をしましょう。
まずレバレッジ規制が25倍から10倍に引き下げられると、レバレッジ10倍を超えるポジションを既に持っている場合、強制ロスカットとなってしまいます。
現状で10倍を超えるポジションを持っている場合は、規制が導入される前にそのポジションを見直しておきましょう。
また証拠金を多く入金するようにして、しっかりと自己管理するようにしましょう。
レバレッジ規制はまだいつから開始されるかが不明なため、これからのニュースにも敏感になっておく必要があります。
海外FXでは業者へ乗り換え
レバレッジ規制が実行されるのは国内FX業者だけなので、海外FX業者の利用に乗り換えるというのも対策の一つです。
海外FX業者はもしもロスカットされても、ゼロカットという仕組みを導入しているため、追証がゼロにリセットされます。
またレバレッジも広く、大きい額にして勝負したい時にももちろん、小さい倍率に設定し直すこともできるため、リスクを抑える、自分で管理するという意味ではこれ以上ない環境といえるでしょう。
また海外FXでは国内FXと違い、取引形態がNDD方式といい、投資家とFX業者の利益が一致しているため、基本的に不正なスリッページなどが起こることはありません。
透明性、信頼性という意味でも海外FX業者に乗り換えるのもいいでしょう。
海外FX業界標準レバレッジは200~888倍という高いレバレッジを投資家に提供しています。
たとえば最大レバレッジが888倍のXMは1万円があれば約800万円の取引を行うことができます。
一方国内FXでは25倍のため、同じ800万円の取引をしようと思ったら32万円もの額を用意しなければなりません。
さらにこれが規制されて10倍になったら、80万円を用意しなければ同じだけの取引ができないのです。
海外FXではこのように資金効率がとても高く、またレバレッジも細かく設定できるため、低いレバレッジにも設定できます。
もちろん国内FXで可能な25倍、10倍も設定可能です。
うまくリスクを軽減しながらも、資金を増やしていけるのでとても効率がいいのです。
このような高いレバレッジをうまく利用することでFXで資金を増やしていける有利な取引を目指しましょう。
あなたは国内FX向き?海外FX向き?
FXには国内FX業者と海外FX業者があり、それぞれにメリット・デメリットがあります、どちらに向いているのか比較しましょう!