CFD取引を行ってその年度中に通算で利益を上げて、所得を得たら必ず確定申告をしなくてはなりません。
難しいイメージのある税金ですが、CFDにおける税金の計算はとても簡単であり、確定申告書の作成も国税庁のホームページ内で作成~印刷まで済ませることができます。
ここではCFDの税金に関する基本知識から確定申告書の作成方法までを、また節税方法もわかりやすく解説いたします。
目次
【CFD取引の税金】確定申告の要・不要のケース
CFDにおいて一定額以上の利益を出した場合、確定申告を行わなければなりません。利益がいくら以上のときに確定申告の対象となるかは、CFD以外からの給与所得の有無など人それぞれで異なります。
以下の『確定申告が不要な人』に該当する人は確定申告が不要です。つまり、以下のケースに該当しない人は確定申告が必要となります。
確定申告が不要な人
【給与所得者のケース】
会社員・パート・アルバイトで年末調整を受けた給与所得者で、CFDを含む給与以外の所得が20万円以下の人
【年金生活者のケース】
年金生活者で公的年金等の収入金額が400万円以下の人 で、CFDを含む公的年金以外の所得が20万円以下の人
【個人事業者・専業主婦・学生】
CFDを含む全ての所得が年間38万円以下の人
これらのケースに当てはまらない人は確定申告の対象者となります。
【CFD取引の税金】課税される範囲と課税時期
CFDで得られる利益が所得として課税対象となります。
具体的には、
- 為替差益
- スワップポイントでの利益
が課税対象となり、確定申告の対象となります。
保有中のポジションの含み損益の扱い
まだ決済していない保有中のポジションの含み益や含み損は、課税対象とならないケースが多いですが、各CFD業者によって異なるので、保有中のポジションの含み損益が課税対象となるかはどうかはCFD業者のホームページなどでチェックしましょう。
【CFD取引の税金】税率と計算方法
店頭CFDでの税金の計算は、
- 『申告分離課税』が適用されおり
- 税率は一律20%(2013年からの25年間は20.315%)
となっています。
一律20.315%=所得税15%+復興特別所得税0.315%(15%×2.1%)+住民税5%
税金の計算方法
申告分離課税の納税額=課税所得(所得金額-必要経費) × 税率一律20.315%
とシンプルな計算で済みます。
【CFD取引の税金】損益通算と損失の繰越控除
店頭CFDは、取引所FXや先物取引と損益通算が可能
店頭CFDの損益は、店頭FXと取引FXや取引所日経平均先物(日経225先物)などの先物取引で発生した損益と損益通算することが可能です。など、株式や給与所得などとの損益通算はできません。
損益通算とは、複数の先物取引から生じた損益において、一方で収益が出ていてもう一方で損失が出ている場合、収益から損失を控除することです。損益通算することで課税所得を小さくして納める税金を少なくすることが可能です。
店頭CFD取引で+120万円の収益・・・①
取引所日経225先物で▲40万円・・・②
の場合、課税所得(①-②)=80万円となります。
CFD、FX、先物取引では、損失の繰越が可能
店頭CFD、店頭FX、取引所FXや先物取引で発生した損失は、最大3年間繰り越すことが可能です。
損失を繰越すためには、損失が発生した年度に係る確定申告で必ず損失を申告しなければなりません。
【CFDの税金】必要経費として計上できるもの
上記の申告分離課税での納税額の計算に『必要経費』を差し引けることを説明しましたが、売上げ・所得を得るためにかかった必要経費は「合理的に説明できる」費用でないといけません。
所得税法の条文には「所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額」とあり、「直接に要した費用」がCFDで利益を得るために「直接に要した経費」であることを合理的に説明できなければなりません。
その観点から、下記の費目は必要経費として認められやすいものであり、課税所得を少なくして納める税金を減額させる可能性があります。
下記の費用を支出している方は、CFDで利益を上げるために必要な経費として合理的に説明がつきやすいものですので紹介しておきます、確定申告時期に参考にしてみてください。
経費 | 合理的な解釈・説明 |
CFD関連の書籍やDVDなど | トレード知識・スキルを身に着けるために必要 |
セミナー参加費用 | 同上 |
CFD取引に関する情報収集のために会食 | 知人などのトレーダーとのCFDに関する情報交換によりスキルアップ |
その他情報収集のための費用 | CFD関連の有料メルマガの利用 海外CFD業者への出張・打ち合わせなどにかかる費用など |
VPSサーバー費用 | 約定スピードアップ=トレード環境の向上に有効 |
CFDに払った取引手数料 | トレード自体に不可欠なもの |
CFDトレードに使用するパソコンや携帯端末の使用料金 | トレード自体に不可欠なもの |
CFDトレードに使用するインターネット代金 (プロバイダ契約) |
トレード自体に不可欠なもの |
CFDトレードに必要な椅子、デスク、棚、照明代など | トレード自体に不可欠なもの |
CFDトレードを行うための部屋の賃料(事務所代、自宅であれば使用スペースで按分計算) | トレード自体に不可欠なもの |
CFDトレードを行うための光熱費(自宅であれば使用スペースで案分計算) | トレード自体に不可欠なもの |
CFD取引の確定申告の方法について
確定申告を行うためには確定申告書の作成を行いますが、難しくありません。その理由は、手書きではなく、国税庁のホームページ内の『確定申告書作成コーナー』で簡単作成~印刷で済むからです。
以下の手順で確定申告書類を作成完了できます。
- 国税庁のHPから確定申告書作成コーナーを開く
- 作成する確定申告書の種類を選ぶ
- 所得を入力する
- CFDの取引内容を入力する
- 必要経費等の入力
- 各種控除の入力
- 住民税の入力
- 住所・氏名の入力
- 確定申告書の印刷
以下の帳票を印刷して税務署に提出すれば確定申告は完了となります。
- 確定申告書B 第一表
- 確定申告書B 第二表
- 確定申告書 第三表(分離課税用)
- 先物取引に掛かる雑所得等の金額の計算明細書
損失繰越がある場合は、所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)も提出する必要があります。