FXには店頭FXと取引所FXがある
FX(外国為替証拠金取引)には、店頭FX(店頭取引、相対取引)と取引所FX(取引所取引)の2種類があります。
店頭FXとはFX業者との相対取引を通して行う「店頭為替証拠金取引」のことであり、取引所FXとは「くりっく365」という「取引所為替証拠金取引」のことです。
店頭FXは1998年の外為法の改正がきっかけに始まったものであり、2005年7月より金融商品取引法が法規制の対象商品となり、法整備などが進んできたおかげで店頭FX市場は大きく拡大してきています。
また、金融商品取引法の施行に伴う投資家保護の一環として、投資家が安心してFX取引が行える環境を強化するために取引所為替証拠金取引の「くりっく365」が東京金融取引所に上場しています。
現状では、店頭FXがFX市場全体において8~9割くらいのシェアを占めています。
店頭FXの取引所FXの特徴
店頭FX(相対取引)とは
店頭FXとは、文字通りFX業者と投資家が相対する取引、つまり両者が直接取引する方法です。
取引のルールは取引所FXよりも緩く、FX業者ごとに取引できる通貨ペアの数や取引ツールなどのトレード環境は異なります。
ほとんどのFX業者が手数料無料にしており、取引所FXよりもスプレッド(取引コスト)は安いことが多いです。
また、取引できる通貨ペア数も取引所FXよりも多く選択肢が多いです。
2012年以降は、税制上のデメリットが緩和され、最高50%総合課税から一律20%申告分離課税に変更されたことから店頭FXの人気が高くなっています。
取引所FXとは
取引所FXは、東京金融取引所で取引されている「くりっく365」、大阪証券取引所で取引されている「大証FX」の二つがあります。
いずれにおいてもFX業者が仲介をして投資家は取引所で取引を行います。
取引通貨ペア数や取引ツールなどは、取引所が提供しているものを利用するため、どのFX業者を仲介しても取引環境は原則として共通です。ただし、取引手数料は仲介するFX業者ごとに決められており一律ではありません。
東京金融取引所や大阪証券取引所を経由し取引ツールも取引所が提供するものを直接利用することから取引の透明性と信頼性が高いメリットがあります。
店頭FX(相対取引)と店頭FXの比較まとめ
店頭FX(相対取引) | 取引所FX | |
取引可能通貨ペア数 | 業者ごとに差があるが、取引所FXよりも多い。 | くりっく365:24通貨ペア 大証FX:11通貨ペア |
取引手数料/スプレッド (取引コスト) |
業者ごとに異なる。 取引手数料無料の業者も多い。 スプレッドは業者により異なる、最小0.3銭くらい。 |
仲介するFX業者で取引手数料が無料のところは無く、スプレッドもかかる。手数料2銭程度&スプレッド1銭程度~。 取引コスト重視の場合、店頭FXが有利。 |
スワップポイント (スワップ金利) |
買いスワップと売りスワップの間に差額が生じるのはデメリットだが、店頭FX(くりっく365)よりも有利なスワップポイントを提供する業者もいる。 | 買いスワップと売りスワップが同額なのがメリット。 |
税制メリット | 税制面は2012年1月以降は取引所FXと同じであり、税率20%の一律申告分離課税であり、他の先物取引との損益通算が可能なのがメリット。 | 為替差益・スワップ金利ともに申告分離課税、税率は20%固定であり、他の給与所得などは関係せず、他の先物取引との損益通算も可能なのがメリット。 |