FXには成行注文をはじめ多くの注文方法があります。当サイト「FXの注文方法とリスク管理の関係」において基本中の基本である「成り行き注文」「指値注文」「逆指値注文」の重要性について述べているとおり、その他の注文方法も有効活用することで常に取引画面を見ていなくてもチャンスを逃すことなく取引ができ、また、リスクコントロールも可能となります。
ここでは、以下の目次記載の注文方法について、一つ一つのメリットやデメリットなどを丁寧に解説してまいります。FX口座ごとに利用できる注文方法とそうでないものがあるのでFX口座ごとに利用できる注文方法を確認する必要があります。
利用できる注文方法は、当サイトの各FX業者の評判・口座情報でご確認ください。
目次
成行注文
成行注文(ナリユキちゅうもん)
レートや時間を指定せず今の水準で売買する注文方法。
【メリット】
レートや時間を指定しないため、売買が早い。
【デメリット】
レートを指定していないため、注文と同時にレートが変動すると変動したレートで約定する。
➣成行注文のメリット
レートや時間を指定しないため、売買が早くできる。今すぐ流れに乗りたいときや、今の水準ですぐさま決済を行いたいときなどに、操作手順が少なく、余計な手間が省けるため発注までのスピードが速い。

➣成行注文のデメリット
レートを指定していないため、注文と同時にレートが変動すると変動したレートで約定する。特にレートの変動が活発な場合は、発注したレートと約定レートが異なる場合が多くなる。
指値注文
指値注文(サシネちゅうもん)
レートを指定して売買することができる。
【メリット】
買いたいまたは売りたいレートで売買できる。
【デメリット】
指定したレートを飛び越え、さらに有利なレートに変動しても、指定したレートでしか約定しない。
➣利益確定を目的とするのが指値注文
例えば1ドル99円台から上昇トレンドが始まり、一度101円近辺まで上昇してから、少し押し目が入りそうだと予測して(下降すると予測)、1ドル100円で新規の「買い指値注文」を出し、予想通りに100円まで下がり買い指値が約定し、ポジションを持ち始めます、同時に1円の利益を狙って今度は1ドル=101円で決済の「売り指値注文」を出しておきます。
その後、予想した通り相場が上がり101円で決済の「売り指値が約定」し、1円の利益を獲得することができました。このように利益の幅を想定して買い値・売り値に予約をいれておく注文方法が指値注文であり、指値注文をうまく活用することで効率的な売買が可能となります。

➣相場予想がはずれた場合の指値注文
例えば、下降トレンドの時に1ドル100円で新規の「買い指値注文」を出したとします。相場は予想通り100円まで下がって新規の「買い指値が約定」し、ポジションを持ち始めました。1円の利益を予想して1ドル101円で決済の「売り指値注文」を出しておきました(図の決済指値ラインのところ)。
しかし、相場が下がってしまい101円の決済の売り指値に到達せずに損失が発生してしまいました。このようにトレンドを読み間違えたてしまうと指値注文は有効ではなくなります。

➣ボックス圏相場で指値注文は有効である
同じ値幅を往来する「ボックス圏相場」では指値注文は有効です。
例えば、下記のようにボックス圏の値幅が2円くらいであれば、99円で新規の「買い指値注文」を出しておき、99円で約定後に101円で決済の売り指値を出しておけえば2円の利益を上げることも可能です。
逆のパターンも可能であり、101円で新規の「売り指値注文」を出しておき、101円で約定後に99円で決済の「買い指値注文」を出しておけば、往復のダブルで利益を出すこともできます。
逆指値注文
逆指値注文(ギャクサシネちゅうもん)
レートを指定し、指定レートを超えると成行注文が発注されるもの。
一定の条件を指定して発注し、「指定の価格以上になれば買いの成行注文を出す」、「指定の価格以下になれば売りの成行注文を出す」のが逆指値注文です。
【メリット】
損失の拡大を止められる。相場のトレンドにうまく乗りやすい。
【デメリット】
レートが乖離したところで指定レートを越えた場合、想定以上の損失となる。
➣利益確保の目的で活用できる逆指値
例えば、1ドル99円で買いのポジションを持っているとして、現在のレートが100.500円まで値上がりしている場合、まだ相場は上がりそうですが相場の急落によって売り時を逃してしてしまわないために、つまり、利益を逃さないために活用します。
利益確保の目的なので、1ドル100円まで値下がりしたら売るという逆指値注文を出しておけば相場が急落したとしても一定の利益を確保できるメリットがあります。
➣損失限定の目的で活用できる逆指値
例えば、1ドル100円で買い、その後101円まで値上がりし現在100.500円まで下落しているとします。
このまま相場が下落してしまうと買いレートである100円を割り込み、もっと下落してしまうと損失が拡大する可能性があるかもしれません。
そこで、99円まで値下がりしたら売りの逆指値注文を出しておけば損失を限定することができます。
損失限定幅=自分が損失を許容できる範囲に抑えることは、とても重要であり、損失限定の逆指値を使用することでポジションの塩漬けを避けることができ効率的な売買をすることができます。
➣抵抗線や最高値を抜けるようなトレンドに乗りやすい
相場が上昇抵抗線(過去何度も上昇を止められ跳ね返されているレートの線)や最高値を抜けたとたん新たな上昇トレンドに入る可能性があるときに逆指値注は有効です。
例えば、ドルの上値抵抗線が100円だとすると、100.100円以上になれば買いという逆指値注文を出しておけば、上値抵抗線を超えたあたりで買いポジションを持つことができます。 相場の変動をどうよむかが戦略のポイントとなりますが、1日中相場を見ることができない方でも逆指値注文を上手に使うことで効率的な売買が可能です。
OCO注文
OCO注文(オーシーオーちゅうもん)
指値・逆指値を同時に2つ発注し、一方の注文が約定するともう片方の注文がキャンセルされる注文方法です。
【メリット】
2つの注文を同時に出し、約定しなかった方の注文は自動的にキャンセルされるので、利益を狙いつつリスクヘッジが同時にできます。また、相場のトレンドに乗りやすいメリットがあります。
【デメリット】
指値・逆指値それぞれのデメリットが伴う可能性があります。
➣売り買いどちらでも有利な価格で約定できるOCO注文
新規の「買い指値」と「売り指値」を組み合わせる注文方法です。
今後レートが上昇・下降するのか予想がつかない時に、高いレートで売り、安いレートで買いたいという場合、現在レート100円よりも高くなれば売り、安くなれば買い、どちらかが約定すると片方はキャンセルするという注文を出すことができます。
現在レートが1ドル100円の時に、
OCO注文①買い指値:99円
OCO注文②売り指値:101円
という注文を出しておくことで相場が上昇・下降のどちらに転んでも現在レートよりも有利なレートで約定させることができるメリットがあります。
➣上昇トレンド・下降トレンドどちらにでも乗れる
新規の「買い逆指値」と「売り逆指値」を組み合わせる注文方法です。
同じレンジの幅で上昇・下降するボックス圏相場のような場合で上値抵抗線、下値支持線(レジスタンスライン)のどちらに抜けるか予想がつかない場合にOCO注文を活用すると上昇下降のどちらに抜けたとしても相場のトレンドをつかむことができます。
OCO注文①売り逆指値:99.100円
OCO注文②買い逆指値:101.100円
➣利益確定と損失限定させる注文ができる
決済の「売り指値」と決済の「売り逆指値」を組み合わせる注文方法です。
相場の動きを想定し、あらかじめ利益確定の範囲、または、損失限定の範囲を決めた注文を出すことができます。
例えば、ドル円を100円で買って決済注文としてOCO注文を活用する場合、決済の売り指値101円、決済の売り逆指値99円と注文しておけば、相場が上昇した場合は利益を確定でき、相場が下降した場合には損失を限定できるメリットがあります。
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